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2009年 08月 11日
短歌人8月号20代・30代会員競詠は、いい作品が沢山あった。 なかでも、勺禰子、中井守恵、春野りりん、3氏の作品は光っていた。 雷鳴も生駒の腹も潜りぬけ君は私を抱きしめに来る 勺 禰子 なんと率直な歌か。漢字の使い方も真直ぐで、これ以上ないという相聞の歌。雷鳴も生駒の腹も、作者の納得がそのまま読者に伝わってくる。 わが猫がすたんすたんとあけぐれを歩みいるおと また目をつむる 中井 守恵 結句に瞠目して脱帽した。 猫の様子を描いているところを、すっと自分の身体性のところへ引っ張ってくる。このカメラにしたらすっとスパンしてくる呼吸。絶妙。高い技法をこんなにやすやすとこの人は使う。 さらさらさら更紗うつぎの降る下でほほ笑むこころ取り戻したり 春野 りりん この作者の語彙語法も瞠目に値する。当たり前の、しかし大切な内容をさらりと詠ってのける手腕。この明るさを、読むものは素直に喜ぶ。 ほかにも沢山いい歌があった。20代、30代という年齢が眩しい。 酔ひどれて妾の名前を連呼するひとを父親と我は思はず 安斎 未紀 率直な詠いぶりに共感するところ多。「小文・わたしの好きな動物」がふるっている。曰く、「けだものは嫌いだ。--。」 ファミレスのコップの水に浮いている根元までよく染まった赤毛 生野 檀 説得力がある。その通りにあるよね、と思わせる。 思わせるほどに詠いえるというのが凄い。 根元まで、というのが作者独自の着目点だ。 鋭い。 六本木でしか遊べない保守的(コンサバ)な欧米人の肉のはみだし 谷村 はるか この一見意地の悪い見方、しかしまさにあるだろうと思わせる一面を突いている。一面の意地悪さは、作者の承知の上の話で、結句の「肉のはみだし」という意地悪さの極みで唸らせて歌になった。日本人だってぼくらだってきっと悪く言われているよなと想像が飛んで、粛然となった。
by Cchitetsu
| 2009-08-11 00:06
| 今日の1首
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