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2010年 03月 14日
おろかにてあはれなりけりなめくぢの溺れ死にたる骸をすくひつ
骸 から 酒井 佑子 仮名とはなんとやさしいものか。 結句の「つ」はなかなか収まる歌を見ない。しかし、このつはどうだ。上の句で見事に「なりけり」を齎したので、つがこのように自然に感じられる。作者の気持ちが作品のなかにある。 用務員さんが検査入院しその間は花のなかりし洗面所花入れ 小野澤 繁雄 字余りの極まった歌。しかし、洗面所の花入れ、それも花の無いそれを詠むところに、小野澤さんの独特のものがある。ちょっとひとは詠まない。中ほどの、「その間は」、これが言えそうで言えない1句だ。味わいの故に、字余りは気にならず。 産み月をひかへて友はしつとりと海を抱へて汗ばみてをり 高澤 志帆 臨月を迎える友人の様子が上手く表現されている。しつとりと、は海を抱へてにかかっている。母性を湛えた瑞々しさを、この擬態語がよく捕らえている。 ひかへて、この1語も簡単なようでよく考えられている。結句のをりは、概して失敗する例が大半であるが、このをりはうまい。 おもかるを「おもっ」「かるっ」と口にするとなるほどこれはおもかる石だ 勺 禰子 なるほどという言葉がこの歌の中で自然な按配で、その分、この歌がいい歌になっている。つまり感情語を入れないことが、大概うまくいく条件である。 このうたはなるほどで歌になった。 二日月吊らるる空をましぐらに切り裂く光り ソユーズの金色 金色 きん 春野 りりん 人工衛星は肉眼で見える。アメリカで何度か見たものだ。空がきれいでないと見えない。砂漠などはとくによい。スピード感があり切れ味のある言葉の運びが心地よい。結句が大きな世界へ広げてくれる。 わたしの家は平地から100メートルほど上った山の上にある。去年の秋は家の近くの坂道でイノシシを見たが、先日はタヌキを二匹みた。のこのこと歩く姿は、やや鈍重そうで、愛らしく、幸せにあれよと思わせた。吾が身、身巡りにも良き事のあれかし。
by Cchitetsu
| 2010-03-14 15:12
| 今日の1首
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