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2009年 10月 07日
10年に一度の台風がまさに接近中の今夜、感激した歌を掲載する。 裸になりてこの朝シャワーをあびるとき「青い山脈」一番うたふ 村田 耕司 裸にならなければシャワーは浴びられない。それを朴訥に確認する上の句。感情を排して叙述した下の句がいい感じ。青い山脈の素材勝ち。 わが娘ならぶつとばしたき黒色のスリップドレスの女目のまへ 川井 怜子 まあまあ川井さん、抑えて抑えて。いくつ位でしょうねえ。この方。男親ならまた詠み方が違ってくる。 小野さんがこのさんであること今日知りて小野さんを知らない人にも告げる 久保 寛容 確かに知らないですね。小野さんを小野さんと読むとは!味の利いた歌。面白い。 越のひと伊豆にすまひて伊豆生のわれを出迎ふ来宮の駅 針谷 哲純 当地で、蒔田さくら子さん主唱の合宿を行った際の歌。実はわたしの家で挙行。来宮でまづ吟行をしましたのです。そこでみなさんを待ち受けた知哲がいたと。情報がとても多いのに上手くまとめた歌。 公園に裸のマハによこたはる白猫(はくべう)の股から目を外らされぬ 矢嶋 博士 矢嶋さんは助詞に味がある。マハにのになどは曲者で味わいがある。まことに正直に股を見続けている。 坂道の青柳町より海へ出て啄木の墓へまはりて帰る 長谷川 知哲 きっと函館のことでしょう。啄木と言えば青柳町というくらい有名な青柳町。上手く使った。作者の動線がはっきりしているのが多分良い。 全身の倦怠感に怯えつつそれでも生きる もう少し生きる 渋谷 知子 気持ちの表現、高齢の渋谷さんのこの正直な述懐。 下の句がすばらしいし、元気をもらう。 是非もう少しと言わず、お元気に。 八月のかどの八百屋の日除け幕風をはらめばトマトかがやく 本田 鈴雨 軽快な歌。八と八が効いている。韻律がよくて、無駄なことを言っていないところが高感度高し。 小さければ小さくにほふ往き過ぎの植ゑ込みにきつと仔猫のむくろ 勺 禰子 幻のような現実のような、そのあわいが優しい言葉で詠われている。 とても優しい。 ネコ繋がりか。 草原をわたりてきたる風のやうな君の帰りを窓の辺に待つ 春野 りりん 中央アジアのステップのような、からっと乾いた風。 待つことは至福だ。 それを思い出させてくれる歌。 てのひらを拡げてみれば草蜘蛛はいつの間にやら綿毛となりぬ 芦田 一子 一見普通のようでいて、不思議な歌だ。 草蜘蛛が消えて綿毛となった。 上の句がとてもいい。 音もなく六月の空にひらかれてあなたの傘がビルを出てゆく 中井 守恵 傘に焦点をあてて、かえって「あなた」に対する作者の思いが出ている。 若々しい相聞。
by Cchitetsu
| 2009-10-07 23:38
| 今日の1首
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