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2010年 02月 17日
カーボンオフセット五円の寄付金の年賀状書く強の寅をんな 高澤 志帆 五黄の寅は昭和25年と昭和61年らしい。ごおうをごうと、子供心に覚えた作者であろう。その話はときど聞くので不思議ではない。強の寅、も独自の造語と思えば味わいがある。結句のをんなが、とても効いている。結句で魅力的な歌になった。 日によりて配達弁当の飯かたし顔近づけて拾い食う粒 小野澤 繁雄 淡々と配達弁当の飯の硬さを語る上の句。なんとも味わいがある。それに増して作者が如実に出ている下の句。小野澤さんのまさに味わいのある1首。 姉いもうと仲良きことをよろこびて父親われに涙はわきぬ 小池 光 まれにみる、率直な小池さんの歌。直球がそのままこころに伝わってくる。ありがたさが、ありがたさとして感じられる。 「ゐるかね」と訊く電話の主は天下り果たしたといふ夫の同期 田中 よう子 初句の「ゐるかね」の導入に尽きる。うまい。電話の主と、作者、つまり妻との関係性が絶妙に表される。天下りを果したという句が初句をきっちり支えている。 一日に川ぐち橋を二度わたり生くる為事(しごと)をけふも終ふるのみ 村田 耕司 下の句の微妙な過剰感を、上の句のしゃれたモチーフで覆って魅力的な1首にしている。川ぐち橋を二度わたるというのがしみじみとして、伝わってくる。 ぢやうざいにくるまれて真夜硝子戸をひく音のしてたれかいでゆく 弘井 文子 くるまれての2句で意味上は切れている。言葉としては切れておらず言いさしで、なにものかに続いてゆく。睡眠導入剤などであろうか。そのぼんやりした意識が、たれかいでゆく、そう感受したというところが面白い。音がして誰か出て行った、それだけで詩がある。 ごめんねと言うたびわれの唇は薄く小さきものとなりゆく 中井 守恵 寂しい歌だ。自意識を詠った歌であるが、自分を客観視するもうひとりの自分がいて、そこを歌にした。 いい歌が沢山あるだろうに、今月はなかなか見る余裕がない。残念だ。ちょっと見ただけの範囲で強く心に残った歌を挙げてみた。
by Cchitetsu
| 2010-02-17 18:50
| 今日の1首
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